通常刻印7本でシェリダンスタイルカービングを彫る!!
こんにちは( ゚▽゚)/
珍しく休みくれてます。2連休です♪ オーダーもデザインの打ち合わせしないと作れないので..かと言ってなにか作ろうとは思えないので、以前からやろうと思っていた「通常刻印のみでシェリダンスタイルカービング」をやってみました。 今回の記事は今暇なので相当長文になると思います(笑) とりあえずこんな感じになりました。通常刻印7本ですから自分的には上出来だと思っています♪ これから順を追って簡単な手順を紹介したいと思います。今回のカットの順番や刻印の順番はいつも僕が彫る手順ではなく「男の革小物 レザーカービング編」に掲載されているものを参考にしています。僕が初めて買ったカービングの参考書はこの本だったのですが、今では手順も随分と変わってきました。順番を変えても問題ないカットの順序や刻印であれば変えても構わないと思ってます♪ この本随分とお世話になっている本なのですが、シェリダンスタイルカービングに関してはちょっと酷いです... トレース(転写)するために掲載されている図案...この本でシェリダンスタイルカービングを始めた方は大抵ツルの部分の法則を間違えいます。それは下手だからとかいう問題ではなく本に掲載されている図案自体に相当の間違えがあるからです....本に掲載されている図案をそのままトレースしてカービングすると絶対間違えるんです... 僕が以前彫ったものです。 このカービングに関しては本に載っている図案だとたしか7〜8箇所は間違えがあったと思います。僕は全て修正してトレースしました(゚ー゚;A 6月末に同出版社から「はじめてのレザーカービング 革に描く奇麗な彫刻」という本が発行されるのでもう予約したんですが、『はじめて』と題されてます!だからこそ図案自体の間違えみたいなお粗末な間違えがなければ...と思っちゃいます(;^_^A 多分僕も知らない事が多く掲載されていると思うので楽しみです!じゃなきゃ予約までして買おうとは思いません(笑) 前置きは終わりでここから本題です! 僕なりの考えですが、通常刻印でシェリダンスタイルを彫るには「深くは彫る」というのは無理と思った方がいいのでは?と思います。 これはシェリダン専用刻印ではないことが原因なので今回使う刻印では「アンダーショット(B61)」意外は強く打ってません。 これは僕の考えです。「深く彫る」=「強く打刻する」ではなく「深く彫る」=「シャープに入る刻印を使用する」ということだと思います。SK刻印のような専用の刻印を使えば強く打刻しなくてもシャープな陰影がつきます。つまり刻印の構造の問題です。 シェリダンスタイルに限らずですがカービングは「筋肉を鍛えてガンガン彫る...」というイメージではなく..どちらかというと刻印それぞれの効果を理解して「薄い革に陰影をつけたり染色したりすることで立体感がある様にみせる」と表現した方が良い様な気がします(゚ー゚;A あと、最近カービングの参考書が多く出版されているので選ぶのが大変だと思います... 僕は結構買いましたが、その本によって書かれている事が違ったりします。その度に色んな彫り方の実験するんですが、良いな!と思ったものを組み合わせて今の自分のカービングの仕方になっているんだと思います。 あと、よく「どの参考書を選べば?」と聞かれるのですが、一長一短なところがあるので選べません..でも一冊は持っていたほうが良いと思います。また、一般的な書店で売ってないのも辛いところですね...ちょっと立ち読みして選ぶとかできないから博打的なところもありますよね...でも絶対これおかしいだろ!!とかいう参考書はないですよ。 洋書で子供向けのやす〜いレザークラフト(「レザークラフトハンドブック」という本で400円で買いました。)の総合的な参考書があるんですがカービングのことも書いてあり子供用だけにもの凄い分りやすかったです(笑) それでは実際に彫ります。 今回はかなり予算を押さえる事も考えました。 この図案集(図案の描き方)は1,000円ちょっとで買えますし図案の描き方も掲載されているのでコストパフォーマンスも良いです。図案の描き方も色々とありますが、この図案集「シェリダンスタイルの図案描き」=「ツル、花、葉などのパーツを組み合わせるパズル」ということが分ると思いますし、かなり楽な方法だと思います。 今回はヌメ革の2mm厚を使いました。カービングをすると革が伸びます。それを多少防ぐために床面に伸び止めをするんですが、僕は「養生テープ」を使っています。これはホームセンターにも打売っていますしコストパフォーマンスもいいと思います。 カービングの際は必ず革に水分を与えます。その際カービングスポンジを使う方も多いと思うんですが今回は霧吹きを使いました。僕は霧吹きを使うことが多いです。 あと、図案を革に転写する時にはトレーシングペーパーを使うんですが、これはレザー専用のものでないとキツイです。普通の紙のトレーシングペーパーでもできないことはないのですが、革を濡らした状態でトレースするので簡単に破れてしまいます。 革が滑らない様にウエイトを使うんですが今回は「オールマイティープレート(ジャンパーホックをつける際などに使う工具)」を使い、表面がツルツルの大理石や御影石の上で刻印を打つんですが今回はレザークラフト用のゴム板を使いました。 ちなみに、トレースの際に使う「鉄筆」100均のネイルコーナーで同じようなもの売ってます。ほぼ同じ形状です。 トレースはたまに写し忘れがないか確認します。あと、ちょっと話前後しますが今回使用したスーベルナイフは協進エルさんの「スーベルナイフ(レギュラーL)」、刃はクラフト社さんの「プロ用スーベルナイフ替刃」です。両方揃えても1,500円程度だと思います。安いですがちゃんとカットできます。ただし、高級なボディより旋回能力に劣るのでヨーク(人差し指をかける部分の名称)を外して油を注して下さい。刃も切れ味がすぐに下がるのでルージュスティックで小まめに研ぐ必要があります。タンニン鞣し革の床面にルージュスティックを塗込んで、スーベルナイフは両刃なので「例えば表を10回研いだら裏も10回」といった感じで研いで下さい。 「フラワーセンター」の打刻 これの順序は参考書に掲載されているのもではなく僕の順序です。理由はカットした後に打ったときカットとフラワーセンターが重なると嫌という理由です。 今回使うフラワーセンターは打つと周囲がすり鉢上になります。本来なら縦線のペアシェイダーですり鉢状にするんですが、今回は刻印の本数を抑える意味で省略します。フラワーセンターから放射状に打つカモフラージュも今回は省略しました。僕の場合ですが専用の刻印を使ってシェリダンスタイルカービングする時も省略しています。これは好き嫌いの話です。 「スーベルカッター」でのカット 参考書どおりメインからカットしました。具体的に言うと「花」→「葉」→「ツル」と言った感じです。長距離のカットの場合は右上の写真に写っているところまでカットしたとすると、左下の写真の鉄筆で示した部分(約5mm)ぐらいのところからカットを繋げていけば上手くいくと思います。 あと、ツルは基本的に先端からカット、先端は深く、徐々にフェイドアウトさせて最後は鋭く抜く(フェザーアウト)が基本だと思います。 フェザーアウトの線が細ければ細いほど先端の深いカットが際立つはずです。 「アンダーショット(リフター)」の打刻 今回はB61という番号の先端の丸い刻印を使いました。 分類的には「ベベラ」ですが、打つと刻印の先端が丸く革の下に潜り込み革が盛り上がります。この打刻は立体感を上げる効果が相当期待されると思います。 「ベベラ」の打刻 1番使う刻印です。本当はもう1本幅の広いものを使った方が楽なのですが、今回は1本で彫りました。ベベラは基本的に1mmずつスライドさせながら連打する。といった感じの打ち方をします。細かくスライドさせないで打つと凸凹になる原因となります。 打つ順はカッターと逆の順です。「ツル」→「葉」→「花」といった感じです。 そうすると左下の様な現象がおきます。ツルに打ったベベラの上から葉の部分のベベラを打つとツルのベベラに影響がでます。その際はもう一度ツルにベベラを打って再生させて下さい。 ベベラ打ちは同じ箇所を何回も打たなければならない場面が多いです。それだけに相当大変な作業だと思います。 「ペアシェイダー」の打刻 ツルの先端や花や葉のフチに打ちます。フラワーカービングだと「ひらひら感」などを表現するために使うことが多いと思います。 シェリダンスタイルの魅力の1つでもあるシャープさを出すには右下のようにフチの部分に近いところに打つとシャープな印象になります。 「ベンナー」の打刻 シェリダンの場合凸凹(スカラプ)が細かい刻印を使う場面が多いので通常刻印のなかでは1番細かいと思ったのでこの刻印を選びました。 ベンナーは主に「葉脈」を表現する刻印なので葉に打つ事が多いです。 葉の曲線に合わせて打っていくんですが、どのぐらいの角度で打てば...というので未だに思った通りに打てないのですが、右上の写真ぐらいの角度をつけないと葉の曲線に合わないと思います。 「ミュールフット」の打刻 どこに打つ?という決まりがあまりない刻印だと思いますが、僕の場合「花と葉の茎」、「ツルの分岐点」、たまに「なんとなく全体を見てのっぺりとした寂しい部分」に打っています。 あまり決まりがなく個人的な感覚なのですが、多くの箇所に打ってしまうとちょっとやかましい感じになってしまうような気がします。 あと、打ち方は、例えば葉の茎の部分だと葉の付け根から徐々にフェイドアウトさせるような打ち方をするのが基本だと思うのですが、そうすると写真左下の様になり刻印の影になって1回目に打ったミュールフットが隠れてしまいます。僕はできるだけ均等の間隔で打ちたいので逆から(葉の付け根に向かって)打っています。 「バックグラウンド」の打刻 「バックグラウンド」は革がほぼ乾いた状態で打つのがほどよいと思います。 水分が結構入った状態だと、「1回打って隣を打つと1回目に打ったところが盛り上がる。」モグラ叩き状態になります。 でも、このタイプは爪があるので細かいところにも入る利点があると思います。僕はまず外周を打った後全体を打ちます。 背景ですから本当は深く打ちたいところですがこのタイプのバックグラウンドは強く打てません。水分が抜けた状態で打っても先ほども言ったモグラ叩き状態になると思います。 シェリダンスタイルの場合つぶつぶの「バーグラウンダー」が一般的に使われると思うのですが、バーグラウンダーはシェリダン用の刻印の中で1番選ぶのが難しい刻印だと思ったので唐草でも使うメッシュのついたタイプを使いました。 SK刻印や日本製のステンレス刻印のバーグラウンダーは深く打てません。強く打っても沈みませんし、下手すると刻印の溝に銀面が入り込んで銀面が剥ぎ取られる事もあります。使う時は「軽く打ってキレイにみせる刻印」だと思って使っています。 かといってバリーキング刻印の精度でも個体差や制作された年代などの影響を受けやすいので凄い困ってます。僕が唯一気に入って使っているものはショップで社長さんに選んでもらった5つ穴のあるタイプ1本だけです。それから7つ穴のある同サイズのものを購入したのですが僕の5つ穴のものと形が違いすぎて併用できないでいます。 あと、結構モデラ使います。使いどころはベベラ逆に打っちゃたときにモデラの先でこすって陰影を消します。完全には消えませんがいい感じに誤摩化せます♪ たまにペアシェイダーの代用として使う事もあります。 「フイニッシュカット」 これはある程度パターンがありますが、例えば「ツルの先端」、「花や葉の茎」などですが何本カットするか?などは本当に自由ですし、もっと言うとどこにカットしても良いと思います。 「このカットは〇〇さんの作品だ!!」と言うところもあると思います。個性の話です。 自由にと言われると1番困る作業で、1番最後の作業なので今でもビビりながらカットする事多いです。 相当な長文ですね...今までで1番長いかもです(笑) お付き合いありがとうございました。また長文記事故の誤字脱字が多いと思います..(;^_^A これより更に立体感を出すには「染色」だと思います。バックグラウンドの染色とアンティークフィニッシュのようなペースト染料などですね。 染色も立体感をあげるための作業のひとつだと思います。 ただ、染色は凄い奥深くて思ったとおりいかない確率が凄い高いです...僕の場合、染色での失敗率は50%ぐらいです。 絶対にやらないといけない事ではないと思ってますので、正直言うとやりたくないです(笑) もっと立体感を出すには「フィグリー(透かし彫り)」だと思います。背景を切り抜いて背景にリザードとかパイソン入れるとやっぱり凄い立体感でますし豪華にだと思います。 フィグリーは意外と好きなんです♪背景の切り抜きはキレイに抜けると凄い爽快な気分になります(笑) よろしければご覧下さい^_^ ↓カートショップサイト 即納品可能商品のレザーアイテムやビンテージ工具を販売しております。 ↓ポチッとしてくださると元気が出ます♪ あと様々なスタイルのクラフターさんのためになるブログを発見できます(笑)↓ 革・革小物 ブログランキングへ
by tkanno4649
| 2013-06-18 17:42
| シェリダンスタイルカービング
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